展示会への出展は、BtoB企業のマーケティング施策として重要な施策です。しかし、「出展したものの効果が見えない」「費用対効果が不明確」といった課題を抱えている企業も少なくありません。本記事では、展示会に出展することで期待できる効果や、効果を最大化するポイントなどについて紹介します。
展示会に出展することで期待できる効果やメリットを紹介します。
展示会の最大の効果は、短期間で大量の新規リードを獲得できることです。特定のテーマに関心を持つ来場者が集まるため、自社のターゲット層と効率的に接点を持つことができます。3日間の展示会で数百から千枚以上の名刺を獲得することも珍しくありません。
来場者は情報収集や課題解決のために積極的に展示会を訪れているため、オンラインでのマーケティングでは接触しにくい層にもアプローチできます。特に、認知度の低い企業でも、展示会という場では主催者の集客力や他の出展企業の引力により、一定の来場者を見込めるのが大きなメリットです。
展示会は新規顧客だけでなく、既存顧客との関係を深める絶好の機会でもあります。対面でのコミュニケーションを通じて信頼関係を強化し、新製品や上位プランを紹介することで、アップセル・クロスセルの可能性を高められます。
既存顧客が実際に製品を体験したり、新機能のデモを見たりすることで、追加導入への意欲が高まります。また、導入後の活用方法について相談を受けることで、カスタマーサクセスの観点からも価値のある接点となります。
展示会への出展そのものが、企業やブランドの認知度向上に貢献します。業界関係者が多数来場する展示会で自社ブースを構えることは、「この分野で事業を展開している企業」としての認知を広げる効果があります。
魅力的なブースデザインや印象的なプレゼンテーションは、来場者の記憶に残りやすく、後日Webサイトへのアクセス増加や問い合わせにつながることもあります。また、展示会への出展実績は、企業の信頼性や事業の安定性を示す指標としても機能します。
展示会は、市場調査やテストマーケティングの場としても有効です。来場者との対話を通じて、ニーズや課題、製品への反応を直接確認できます。アンケートやデモ体験を通じて得られる生の声は、製品開発やマーケティング戦略の改善に役立つ貴重な情報源となります。
また、同じ展示会に出展している競合他社の動向も把握できます。競合の製品展示やプレゼンテーション内容、ブースの混雑状況などを観察することで、自社の位置づけや差別化のポイントを再確認できます。
デジタルマーケティングが主流となった現代でも、対面でのコミュニケーションが持つ価値は変わりません。展示会では、デモコンテンツを実際に触ったり、サービス紹介動画を見たり、担当者と直接話したりすることで、資料やWebサイトだけでは伝わらない製品の魅力や使い勝手を体感してもらえます。
特に複雑な製品やサービスの場合、対面での説明と実演が理解促進に大きく貢献します。来場者の表情や反応を見ながら説明を調整できることも、対面ならではのメリットです。この体験が信頼関係の構築につながり、その後の商談をスムーズに進めやすくなります。
展示会の効果を正確に把握するには、適切な指標の設定を行いましょう。この段落では、展示会で測定すべき主要な4つの指標について紹介します。
名刺獲得数は、具体的な接触があった見込み客の数を示します。ただし、名刺を獲得したすべての来場者が有効なリードとは限りません。そのため、ランク付けを行い、有効リード数を別途カウントすることが推奨されます。
有効リードの定義は企業によって異なりますが、一般的には「購買意欲が高い」「決裁権がある」「予算がある」などの条件を満たす見込み客を指します。名刺獲得時の会話内容やアンケート結果をもとに、A・B・Cなどのランク付けを行うとよいでしょう。
展示会後に実際に商談に進んだ件数と、名刺獲得数に対する商談化率は、展示会の質を測る重要な指標です。展示会終了後、1週間以内、1ヶ月以内などのタイミングで測定します。
商談化率が低い場合は、リードの質に問題があるか、フォローアップ体制に課題があると考えられます。
最終的な成果指標として、展示会経由での受注件数と成約率を測定します。BtoB企業の場合、展示会から受注までのリードタイムが長いため、展示会後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年後など、複数のタイミングで継続的に測定することが重要です。
商談化率と成約率を掛け合わせることで、名刺獲得から受注までの全体的なコンバージョン率を把握できます。この数値を改善することが、展示会のROI向上につながります。
展示会に出展しても期待した効果が得られない企業の5つの失敗パターンをそれぞれ紹介します。
展示会への出展が目的化してしまい、「何のために出展するのか」が曖昧なまま準備を進めてしまうケースがあります。目的が不明確だと、ブースデザイン、配布物、スタッフの対応方針などすべてが場当たり的になり、顧客獲得につながりにくくなります。
出展前に「新規リード獲得」「既存顧客との関係強化」「製品認知度向上」など、明確な目的や具体的な数値目標(KPI)を立てた上で、戦略や施策を実行することが重要です。
展示会で多くの名刺を獲得しても、その後のフォローアップが遅れたり、実施されなかったりすると、せっかくの機会を逃してしまいます。展示会後の来場者の関心は時間とともに急速に薄れていくため、迅速なフォローアップが成果に直結します。
展示会前にフォローアップの体制を整え、メール文面のテンプレート作成、リード管理システムへの登録方法、営業への引き継ぎフローなどを決めておくことが重要です。理想的には、展示会終了当日または翌日にはお礼メールを送信できる体制を整えましょう。
名刺獲得数だけを目標にすると、ターゲット外の来場者からも無差別に名刺を集めることになります。結果として、フォローアップに時間がかかる割に商談化率が低く、非効率な営業活動につながります。
名刺獲得時に簡単なヒアリングやアンケートを実施し、購買意欲や予算、導入時期などを確認してリードをランク付けすることが重要です。高ランクのリードに優先的にリソースを配分することで、効率的な営業活動が可能になります。
展示会後に効果測定を行わないと、何が成功で何が失敗だったのかが不明確なまま、次回も同じ過ちを繰り返すことになります。効果測定は単なる報告のためではなく、次回の改善につなげるために実施するものです。
展示会ごとに、目標に対する達成度、うまくいった施策、改善すべき点を記録し、社内で共有しましょう。複数の展示会に出展している場合は、展示会ごとの比較分析も有効です。PDCAサイクルを回すことで、展示会の効果は継続的に向上していきます。
展示会を単独の施策として捉え、前後のマーケティング活動と連携させていないケースがあります。展示会は、顧客との接点を作るきっかけに過ぎず、その後のナーチャリング施策やコンテンツマーケティングと組み合わせることで、真の効果を発揮します。
展示会を総合的なマーケティング戦略の一部として位置づけ、事前の集客施策、当日の対応、事後のフォローアップ、長期的なリードナーチャリングまでを一連の流れとして設計することが重要です。
展示会のROIは、以下の式で計算します。
ROI(%)= (展示会経由の利益 − 出展総費用)÷ 出展総費用 × 100
例えば、出展総費用が500万円で、展示会経由で3,000万円の受注を獲得し、粗利率が30%の場合:
ROIが高いほど、投資に対する効果が大きいことを示します。ただし、BtoB企業の場合は受注までの期間が長いため、中長期的な視点でROIを評価することが重要です。
また、サブスクリプションサービスの場合は、LTV(顧客生涯価値)とCAC(顧客獲得コスト)のユニットエコノミクスで費用対効果を判断することがおすすめです。
展示会の成果は、出展前の準備で8割が決まると言っても過言ではありません。展示会出展前の準備のポイントを紹介します。
まず、展示会出展の目的を明確にします。「新規リード獲得」「既存顧客との関係強化」「製品認知度向上」「市場調査」など、優先順位を付けて目的を設定しましょう。
目標は、過去の実績や業界平均を参考にしつつ、自社の状況に合った現実的かつ挑戦的な目標を設定することが重要です。
どのような来場者に自社ブースを訪れてほしいのか、ターゲット像を明確にします。業種、職種、役職、課題、情報収集の目的などを具体的に設定し、ペルソナシートを作成しましょう。
ペルソナを設定することで、ブースデザイン、配布資料、プレゼンテーション内容、スタッフの声かけトークなど、すべての要素をターゲットに最適化できます。
来場者の注意を引き、ブース内へスムーズに誘導するためのデザインと導線が重要です。以下の点に注意しましょう。
視認性の高いデザイン
効果的な導線設計
体験を重視した設計
展示会前から集客活動を開始することで、来場者数と質を高めることができます。
既存顧客への告知
Web・SNSでの告知
事前アポイントメントの獲得
事前告知を行うことで、当日の来場者数を増やすだけでなく、購買意欲の高い見込み客との接点を作ることができます。
展示会当日のスタッフ配置と役割分担を明確にします。
役割の明確化
事前トレーニングの実施
スタッフ全員が同じ方向を向いて活動できるよう、目標や役割を共有し、チームとしての準備を整えましょう。
展示会当日の対応が、最終的な成果を大きく左右します。ここでは、来場者の関心を引き、質の高いリードを獲得するための具体的な方法を紹介します。
第一声が勝負
通路を歩く来場者に対する最初の声かけが、ブース来場の分かれ目となります。「ご自由にご覧ください」といった曖昧な声かけではなく、「○○でお困りではありませんか?」「△△システムの導入をご検討中ですか?」など、具体的な課題や関心に言及する声かけが効果的です。
質問型アプローチ
一方的な説明ではなく、来場者の状況や課題をヒアリングすることから始めましょう。「現在どのようなシステムをお使いですか?」「○○について課題を感じていらっしゃいますか?」といった質問を通じて、ニーズを把握します。
BANTCの確認
商談の可能性を見極めるため、以下の要素を会話の中で確認しましょう。
これらの情報をさりげなく確認することで、リードの質を見極め、適切なフォローアップにつなげることができます。
体験機会の提供
可能な限り実際の製品を触ってもらい、使用感を体験してもらいましょう。ソフトウェア製品の場合は、デモコンテンツを作成しておくことで、展示会参加メンバーのデモを標準化でき、製品の使用イメージや価値が伝わりやすくなります。
また、PLAINERのようなデモコンテンツ作成ツールを使用した場合は、ノイズの入っていないデモ環境が用意できるため、データを一回一回消去する必要なく、いつでもデモ体験を提供できます。
ストーリー性のあるデモ
単なる機能紹介ではなく、「こんな課題を持つお客様が、この機能を使うことで、こう改善された」というストーリー形式でデモを実施すると、来場者の理解と共感が深まります。
定期的なセミナーの開催
ブース内で30分〜1時間ごとに定期的なセミナーを実施することで、複数の来場者に同時に訴求でき、効率的にブランド認知を高めることができます。セミナー内で製品デモを活用することによって、製品の価値を分かりやすく伝えられます。
その場でのランク付け
名刺を受け取ったら、会話の内容に基づいてその場でランク付けを行いましょう。名刺の裏面やデジタルツールに、以下のような情報を記録します。
会話内容の詳細記録
フォローアップの質を高めるため、以下の情報をできるだけ詳しく記録します。
これらの情報は、後日のフォローアップで「展示会でお話しした○○について…」と具体的に言及できるため、関係構築に大きく寄与します。
簡潔で効果的なアンケート設計
長すぎるアンケートは回答率を下げるため、5問程度の簡潔なものにしましょう。以下のような項目が有効です。
デジタルツールの活用
QRコードを活用したデジタルアンケートは、その場で回答してもらいやすく、集計も容易です。また、ノベルティ配布をアンケート回答と引き換えにすることで、回答率を高める工夫も効果的です。
タブレットやスマートフォンを活用し、その場で情報を入力・保存できる仕組みを作ることで、展示会後の事務作業を大幅に削減できます。
展示会の真の成果は、出展後のフォローアップによって決まります。迅速かつ適切なフォローアップが、リードの商談化率を大きく左右します。
展示会終了後、当日か翌日にメールを送付する
展示会終了後、できるだけ早く(理想は当日または翌日)お礼メールを送りましょう。時間が経つほど来場者の記憶は薄れ、競合他社へ流れる可能性が高まります。
パーソナライズされた内容
テンプレートをベースにしつつも、展示会で話した具体的な内容に触れることで、「あなたのことを覚えています」という印象を与えられます。
例:「先日の○○展示会では、貴社の△△における課題についてお話を伺い、ありがとうございました。お話しされていた××の改善については、当社の□□機能が特にお役に立てると考えております…」
次のアクションの提示
お礼だけでなく、次のステップを明確に提示しましょう。
メール受信者が興味のある行動を取りやすいようなメールを心がけてください。
リードスコアリングの実施
展示会で獲得したリードを、購買意欲や企業規模などに基づいてスコアリングします。BANTCの各要素に点数を付け、総合点でランク分けすることで、効率的なリソース配分が可能になります。
ランク別のアプローチ戦略
Aランク(ホットリード)
Bランク(ウォームリード)
Cランク(コールドリード)
ナーチャリングコンテンツの準備
リードの段階に応じて、以下のようなコンテンツを用意しておくと効果的です。
スムーズな情報共有
展示会で獲得したリード情報を、インサイドセールスチームに迅速かつ正確に引き継ぐことが重要です。以下の情報を共有しましょう。
効率的なリード管理
MAツールを活用することで、大量のリードを効率的に管理・育成できます。展示会で獲得したリードをMAツールに登録し、自動化されたナーチャリングシナリオを実行しましょう。
行動トラッキングとスコアリング
MAツールでは、以下のような行動をトラッキングし、リードスコアを自動更新できます。
これらの行動データを基に、購買意欲の高まりを察知し、最適なタイミングで営業から連絡を取れる仕組みを構築できます。
今回は、展示会に出展することで期待できる効果や、効果を最大化するポイントなどを紹介しました。展示会は、適切に活用すれば新規リード獲得から既存顧客との関係強化まで、多様な効果をもたらす強力なマーケティング施策です。本記事で紹介した以下のポイントを押さえることで、展示会の投資対効果を最大化することができます。
特にSaaS製品においては、インタラクティブデモの活用が大きな差別化要因となります。PLAINERのようなツールを活用することで、コーディング不要で高品質なデモ体験を提供し、展示会のROIを最大化することを期待できます。

PLAINERは、誰でもノーコードでソフトウェアを複製・カスタマイズしたデモコンテンツを制作し、顧客への提供とアクセス解析を可能にするサービスです。サービス開始からfreee、Chatwork、ヌーラボなどの上場企業を含め、先進的なプロダクトを持つSaaS企業を中心に導入され、作成されたデモは10万人以上のユーザーに閲覧されています。プロダクトの画面をキャプチャするだけで誰でも簡単に製品デモを制作できるので、これまで製品デモの制作や管理にかかっていた工数を大幅に削減できます。
展示会における製品の価値を上手く伝えられないことに課題を抱えている、SaaS・ソフトウェアの事業者の皆様は、ぜひサービス紹介資料をダウンロードいただくかお問い合わせください。