営業におけるデモの重要性や課題、ポイント・コツを紹介

営業活動を行う上で、顧客に自社の製品やサービスをより分かりやすくかつ具体的に理解してもらうための手法の1つが「デモ(デモンストレーション)」です。

これまでの営業活動でデモを行った際に、「顧客にサービスの価値を理解してもらえなかった」「デモの準備不足で失注した」という経験をした方も少なくないことと思います。

今回は、営業活動におけるデモの重要性や、デモを行う際の課題とポイント、体験できるデモコンテンツの活用方法などについて紹介します。

営業活動におけるデモとは?

営業活動におけるデモ(デモンストレーション)とは、自社製品やサービスの実物・機能を顧客に実際に見せながら説明する営業手法のことです。
言葉だけの説明では伝わりにくい製品の使い勝手や操作性、具体的な効果などを、実演を通じて顧客に体感してもらうことで、製品への理解を深め、購買意欲を高めることができます。

デモには様々な形式があります。対面での製品実演はもちろん、オンラインでの画面共有によるデモ、顧客が体験できるデモ、展示会でのブース展示、製品操作を録画したデータの提供など、状況や製品特性に応じて最適な方法を選択することが重要です。
特に近年では、SaaSやソフトウェア製品の普及に伴い、オンラインデモや顧客が体験できるデモの重要性が高まっています。

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営業活動にデモは必要?

結論から言えば、多くの営業活動においてデモは非常に重要な役割を果たします。
特に、製品やサービスの機能が複雑である場合や、顧客が初めて触れる新しいソリューションである場合、競合製品との差別化が必要な場合には、デモは不可欠です。

ただし、すべての営業シーンでデモが必要というわけではありません。
顧客がすでに製品について十分な知識を持っている場合や、導入実績や価格条件などの確認が主目的である商談では、デモよりも他の営業活動に時間を割く方が効果的な場合もあります。

重要なのは、顧客の状況や商談のフェーズに応じて、デモを戦略的に活用することです。
商談を進める中で、顧客の課題や状況を把握し、適切なタイミングで効果的なデモを実施することで、営業成果を大きく向上させることができます。

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営業がデモを行うメリット

営業がデモを行う具体的なメリットについて紹介します。

製品の価値や機能の理解促進

デモの最大のメリットは、製品の価値や機能を顧客に深く理解してもらえることです。
カタログやウェブサイトの情報だけでは、製品の実際の使い勝手や操作感は伝わりません。
デモを通じて実際の画面や動作を見せることによって、顧客は製品がどのように動作し、どのような結果をもたらすのかを具体的にイメージできるようになります。

特に、複雑な機能を持つ製品や、まだ市場に類似するサービスが無い場合、言葉だけでの説明では顧客の理解が追いつかないことがあります。
デモで実際に操作しながら説明することで、顧客の理解度は飛躍的に高まります。

購買意欲の向上

実際に製品を見て触れることで、顧客の購買意欲は大きく向上します。
これは「百聞は一見に如かず」という言葉が示す通り、人間の心理として、実際に目で見たものに対してより強い興味や信頼を抱く傾向があるためです。

デモを通じて製品の優れた点や使い勝手を確認し、自社の課題を解決できることを実感した顧客は、「この製品を導入したい」という気持ちが自然と高まります。
また、デモ中に顧客から「これは便利だ」「うちの業務にも問題なく使えそうだ」といったポジティブな反応が得られれば、商談は大きく前進します。

導入後の利用イメージの喚起

デモは、顧客が製品を導入した後の具体的な活用シーンをイメージする手助けとなります。
「この機能を使えば、毎日の作業が10分で終わる」「このダッシュボードを見れば、リアルタイムで売上状況が把握できる」といった、導入後の具体的なメリットを顧客自身が想像できるようになります。

導入後の利用イメージが明確になることで、顧客は製品導入の意思決定をしやすくなります。
また、社内での稟議を通す際にも、具体的なイメージを共有しやすくなるため、導入決定までのプロセスがスムーズに進みます。

安心感の醸成

デモを通じて製品のUIUXなどを確認できることは、顧客に大きな安心感を与えます。
「本当にこの製品で課題が解決できるのだろうか」という不安を抱えている顧客にとって、実際に動作している製品を見ることは、その不安を解消する最良の方法です。

また、デモ中に顧客からの質問に的確に答えたり、想定される課題に対する解決策を提示したりすることで、営業担当者や企業全体に対する信頼感も高まります。

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営業がデモを行う際によくある課題

営業職の方がデモを行う際によくある課題について紹介します。

デモをすること自体が目的となっている

デモを実施する際の最も大きな落とし穴は、デモの実施そのものが目的化してしまうことです。
「とりあえずデモをやっておけば良い」という考え方では、デモの本来の効果は得られません。

デモはあくまで顧客の課題を解決し、製品の価値を理解してもらい、最終的に受注につなげるための手段です。
デモ後に何を達成したいのか、次のステップに進むために何が必要なのかを明確にせずにデモを行っても、商談は前に進まず、逆効果になってしまう可能性もあります。

顧客が知りたいことではなく、一方的に話している

営業担当者が陥りがちな失敗は、顧客のニーズや関心事を無視して、用意してきたデモのシナリオを一方的に進めてしまうことです。
製品のすべての機能を網羅的に説明しようとするあまり、顧客が本当に知りたいことにフォーカスできていないケースが多く見られます。

顧客は自社の課題を解決したいと考えており、製品のすべての機能に興味があるわけではありません。
顧客にとって重要でない機能を延々と説明されても、集中力は途切れ、肝心なポイントが伝わらない結果となってしまいます。

顧客に合わせたデモを準備する時間がない

理想では、各顧客の業界や業務内容、課題等に合わせたデモを実施すべきですが、営業担当者は多忙であり、商談ごとにデモを準備する時間が確保できないという課題があります。

その結果、すべての顧客に対して同じ汎用的なデモを実施することになり、顧客にとっては「自社の課題に本当に対応できるのか」という疑問が残ったまま商談が終わってしまうことがあります。

製品の価値ではなく機能のみ話している

技術的に優れた製品であっても、その機能を羅列するだけでは顧客の心には響きません。
顧客が知りたいのは「この製品を使うことで、自社のビジネスにどのような価値がもたらされるのか」ということです。

「この機能を使えば○○ができます」という説明に終始するのではなく、「この機能によって業務時間が30%削減でき、その結果、より戦略的な業務に時間を割けるようになります」といった、価値ベースの説明が求められます。

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営業がデモを実施する上でのポイント・コツ

営業がデモを実施する上でのポイントやコツを紹介します。

デモの目的やゴールを整理する

効果的なデモを実施するためには、まずデモの目的とゴールを明確に設定することが重要です。
「デモを実施することによって何を達成したいのか」「デモ後に顧客にどのようなアクションを取ってもらいたいのか」を事前に整理しましょう。

例えば、初回商談でのデモであれば「製品の基本的な価値を理解してもらい、次回の詳細商談の約束を取り付ける」、提案段階でのデモであれば「具体的な導入イメージを持ってもらい、社内検討を進めてもらう」といった具体的なゴールを設定します。

顧客の属性やニーズを把握する

デモを実施する前に、顧客の業界、企業規模、現在抱えている課題、デモに参加する担当者の役職や関心事などを十分に把握しておくことが重要です。
事前のヒアリングや情報収集を通じて、顧客が何に困っており、どのような解決策を求めているのかを理解しましょう。

この情報をもとに、デモの内容や順序、強調すべきポイントを調整することで、顧客にとって価値のあるデモを実施できます。
可能であれば、顧客の業界や職種に近い事例を用意しておくと、より共感を得やすくなります。

デモを行いながら顧客とコミュニケーションを取る

デモは一方通行のプレゼンテーションではなく、双方向のコミュニケーションの場として捉えることが大切です。
デモの途中で適宜質問を投げかけたり、顧客の反応を確認したりしながら進めましょう。

「このような機能があれば、御社の○○という課題の解決に役立ちそうでしょうか?」「実際の業務では、このようなケースはございますか?」といった問いかけを通じて、顧客の興味や関心の度合いを確認しながらデモを進めることで、より効果的な説明が可能になります。

体験できるデモコンテンツを用意する

SaaSやクラウドサービスの事業者の営業であれば、可能な限り、顧客自身が実際に操作できる体験型のデモコンテンツを用意することをおすすめします。
見るだけのデモよりも、自分で触って操作できるデモの方が、製品への理解が深まり、記憶にも残りやすくなります。

顧客が実際に画面を操作したり、データを入力したりできるようにすることで、導入後の利用イメージがより具体的になります。
また、顧客が自分で操作することで生まれる発見や気づきが、購買意欲の向上に繋がります。

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体験できるデモコンテンツを活用した営業力向上の施策

上述した体験できるデモで作成したコンテンツを活用して、営業力の向上に繋がる施策を3つ紹介します。

トップセールスのデモを型化する

組織全体の営業力を底上げするためには、トップセールスが実施している効果的なデモを分析し、そのノウハウを型化して共有することが有効です。
トップセールスがどのような順序で説明しているか、どのポイントを強調しているか、どのような質問を投げかけているかを観察し、そのエッセンスを抽出します。

型化されたデモコンテンツやシナリオを用意することで、経験の浅い営業担当者でも一定レベル以上のデモを実施できるようになります。
また、型があることで、個々の営業担当者がそれをベースに自分なりのアレンジを加えやすくなり、継続的な改善にもつながります。

展示会でデモコンテンツを活用し、説明の品質を担保する

展示会では、多くの来場者に対して短時間で効果的に製品をアピールする必要があります。
この場面で、体験型のデモコンテンツを活用することで、来場者自身が製品を触りながら理解を深められるようになります。

また、標準化されたデモコンテンツを用意しておくことで、複数のスタッフが対応する場合でも説明の品質にばらつきが生じにくくなります。
来場者がブースに立ち寄った際に、すぐに製品を体験できる環境が整っていれば、待ち時間も短縮でき、より多くの見込み客と接点を持つことができます。

デモコンテンツを社内で共有・管理し、クロスセルを行いやすくする

効果的なデモコンテンツは、社内で共有・管理することで、組織全体の営業力向上に貢献します。
デモコンテンツをデータベース化し、製品別、業界別、課題別などで整理しておけば、各営業担当者が必要なときに必要なコンテンツを活用できるようになります。

特に、複数の製品やサービスを扱う企業の場合、他部門のデモコンテンツを参照できることで、クロスセルの機会が広がります。
例えば、顧客との会話の中で別の製品への興味が示された際に、すぐにその製品のデモコンテンツを使って説明できれば、商談の幅が大きく広がるでしょう。

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PLAINERを活用して、製品を効果的に紹介するデモコンテンツを作成しませんか?

今回は、営業活動におけるデモの重要性や、デモを行う際の課題とポイント、体験できるデモコンテンツの活用方法などについて紹介しました。
デモを効果的に活用することによって、営業活動をより推進できます。

また、SaaSやクラウドサービス等を活用する事業者であれば、製品を体験できるデモコンテンツは、製品の価値や機能の理解促進に大きく寄与するものであり、営業組織全体の営業力向上にも繋がるものですので、まだ活用したことがない方は、ぜひ活用することをおすすめします。

PLAINERは、誰でもノーコードでソフトウェアを複製・カスタマイズしたデモコンテンツを制作し、顧客への提供とアクセス解析を可能にするサービスです。サービス開始からfreee、Chatwork、ヌーラボなどの上場企業を含め、先進的なプロダクトを持つSaaS企業を中心に導入され、作成されたデモは10万人以上のユーザーに閲覧されています。プロダクトの画面をキャプチャするだけで誰でも簡単に製品デモを制作できるので、これまで製品デモの制作や管理にかかっていた工数を大幅に削減できます。

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