SaaS・ソフトウェアのCSにおけるハイタッチとは?他タッチモデルとの違い、よくある課題と具体的な改善方法を解説

SaaS・ソフトウェアのCSにおけるハイタッチとは?他タッチモデルとの違い、よくある課題と具体的な改善方法を解説

2026/09/29

こんにちは!誰でもノーコードでソフトウェアを複製・カスタマイズしたデモコンテンツを制作できる国内唯一のサービスを提供する「PLAINER」の代表 小林です。

BtoB業界、特にSaaSをはじめとしたサブスクリプション型のビジネスといった「使い続けられる」ことが前提としてビジネスにおいてカスタマーサクセス(CS)の役割は非常に重要です。またその運用において、ハイタッチ(High Touch) 、ロータッチ(Low Touch)、テックタッチ(Tech Touch)と使い分け、それぞれの顧客に担当者を割り振り、コミュニケーションを取る手段が注目されています。

大企業をはじめとした高LTV層に製品定着、リテンションを試みる際、顧客ごとのニーズを早期に理解して迅速な支援を行うためには、ハイタッチが不可欠、というようなそれぞれのタッチモデルごとにご紹介します。

本記事では、それぞれのタッチモデルについて解説したうえで下記について詳しく整理していきます。

・ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチの違い

・タッチモデルの分類方法

・タッチモデル別の具体的な施策

・モデル別の失敗例とその改善策

そもそも、タッチモデルとは?

タッチモデルとは、カスタマーサクセス(CS)において、顧客生涯価値(LTV)のような観点で分類した顧客へのアプローチ方法です。

タッチモデルは、ハイタッチ、ロータッチ、テックタッチの3つに分類されます。
(それぞれのモデルについては、のちほど詳しく解説します。)

タッチモデルは、限られたカスタマーサクセスの人員を効率的に分け、場合によってテクノロジーを活用することで、顧客満足度を高めて解約率の低下を抑えることができるため、リテンションやNRRの向上を目的として活用されています。

ハイタッチ(High Touch)とは?

ハイタッチとは、顧客ごとの選任担当者を設けて対面およびWeb会議などの手法を通じて、密にコミュニケーションをする支援モデルです。カスタマーサクセス(CS)や営業活動において、最も人的リソースを割くアプローチ手法です。

ハイタッチの主な目的は、それぞれの顧客が持つ課題を的確に理解し成果創出まで伴走して導くことにあります。

製品の導入支援から運用後の課題解決までを徹底的にサポートすることで、LTV(顧客生涯価値)を最大化し、解約率(チャーンレート)を下げ、その次のNRR最大化を図ることが狙いです。

併せて読みたい記事:解約率(チャーン)を下げるには?SaaSで解約が起きる原因と防止策を解説

ハイタッチの対象顧客

・大企業/エンタープライズ層 

契約金額(LTV、ARPU)が高くエクスパンションの可能性も十分にあるため、人的リソースを投入しても十分な投資対効果が見込めます。また、意思決定に関与するステークホルダが多い大企業・エンタープライズ層の場合、個別の伴走が不可欠なためハイタッチモデルでの支援が求められます。

・対応要件が複雑な顧客

製品導入にあたりシステム構築が必要な場合や、顧客の要望やその対応が複雑な場合は、CS担当者による直接の支援が求められます。

ハイタッチの利点

ハイタッチで支援をする主なメリットは、以下のような点が挙げられます。

・解約率の抑制最大化

顧客が持つ「使いこなせない」、「不満がある」といった解約理由の原因は、担当者と顧客が直接コミュニケーションをとることで解消できます。

・アップセル・クロスセルの機会を増やす(=NRR最大化)

顧客と直接対話をすることでアップセル・クロスセルの提案がしやすくなります。顧客の課題解決を支援しながら、1社あたりに占める売上高を高めましょう。 

・顧客からの信頼を高められる(=NPS最大化)

顧客ごとの課題や要望を理解し、解決に向けた支援を継続することで、担当者や自社への信頼を高められます。 顧客からの信頼性が高まることで、実際に製品を体験した顧客からの口コミを基にした製品のプロモーションにも繋がります。

一方で、ハイタッチは手厚く売上拡大も見込める反面、ロータッチやテックタッチに比べて人的リソースを最も消費します。

担当者数に限りがある中で、「どこまでハイタッチにリソースを割くべきか」を自社の状況に合わせて正しく判断することが不可欠です。

ロータッチ(Low Touch)とは?

ロータッチは、ウェブ上での勉強会やオフライン講習会などの1対多の支援と、必要に応じた個別フォローを組み合わせ、効率よく顧客を支援するタッチモデルです。

ロータッチの対象顧客

・ミドル層 / ライト層の顧客

契約金額(LTV、ARPU)が中程度から低の場合、エクスパンション可能性などの観点から専任担当の配属は行わないことが一般的です。また、これらの顧客層は大手企業に比べ複雑な運用ルールやシステム連携を行う場合が少ないため、個別支援をせずに、ウェブ上での勉強会やオフライン講習会による製品説明で対応可能であるケースが多いです。

・自走力がある程度備わっている顧客

ITリテラシーがある程度備わっている顧客の場合、顧客自身で初期設定と運用をすることが出来ます。そのため、操作方法を説明する動画やインタラクティブデモを活用することでロータッチモデルでの対応が可能です。

ロータッチの利点

ロータッチモデルの主なメリットは、以下のような点が挙げられます。

・人的介入のある効率的な導入支援ができる

・サポート品質を均一化する

・顧客データの収集・活用がスムーズ

動画やマニュアルの配信は、その開封率をデータとして活用することや同じコンテンツを視聴してもらうために担当者ごとの支援のばらつきを防ぐことができます。

一方で、ハイタッチのような手厚いサポートを求めていた顧客にとって、ロータッチモデルは顧客の不満の原因に繋がりかねません。顧客の知識量や規模感によって、ロータッチモデルを採用するか否か、入念に吟味しましょう。

テックタッチ(Tech Touch)とは?

テックタッチは、ハイタッチやロータッチと異なり、マニュアルやインタラクティブデモといったテクノロジーを中心に支援をする手法です。

このタッチモデルでは、担当者1人が複数の顧客を担当するという点ではロータッチと似ていますが、その一方で、テクノロジーを活用したセルフオンボーディングが主な手法という点で、ロータッチとは明確に異なります。

テックタッチの対象顧客

・個人企業/中小企業(SMB)

個人企業や中小企業は1社あたりの顧客生涯価値(LTV)が大手企業、ミッドマーケット層と比較して低いことが多いため、全社に専任担当を割り振ると物理的にもコスト的にも不可能なため。 

・フリーミアムやトライアルユーザー

無料プランやトライアルユーザーは、CV時点の収益はゼロです。そのため、契約がない段階で人的コストをかけるとコスト倒れが起きるため。

・セルフサービスを好む顧客

「自分のペースで設定を進めたい」と考える顧客は一定数存在します。人的な介入がないテックタッチモデルは、ITリテラシーがある自発的な顧客にとって効果があります。

テックタッチの利点

ロータッチモデルの主なメリットは、以下の点が挙げられます。

・24時間365日対応可能である

・スケーラビリティが高い

・人的介入がなく人件費を抑えられる

テックタッチモデルは、人的介入がロータッチとハイタッチに比べて極めて少ないため、AIチャットボットやヘルプサイト、インタラクティブデモなどのツールを用いることで24時間365日導入支援が可能です。

一方で、他のタッチモデルと比較してスケーラビリティが高いといった反面、「顧客とCS」といった人同士のコミュニケーションが希薄化するため、顧客と密接な信頼関係を築くまでに時間を要します。

タッチモデルの分類方法(4ステップ)

カスタマーサクセス(CS)における「ハイタッチ」「ロータッチ」「テックタッチ」の3つのモデルは、顧客の事業規模や製品提供価値によって分類されます。ここでは、3つのモデルを分類する際の4つのステップをご紹介します。


4 steps of touch model classification

ステップ1:顧客生涯価値(LTV)を確認する

顧客生涯価値(LTV)とは、一人の顧客が自社との取引開始から終了までにもたらす利益の総額を指します。LTVを把握することで、その顧客群に対して「どこまでコストをかけて良いか」の上限ラインを算出します。

まずは、財務指標に基づいて、顧客のLTVを確認し、高い順にランク付けします。ランク付けされたLTVは、以下のように振り分けられます。

・上位10〜20%の収益→エンタープライズ層

・中間の収益帯→ミドル層、ライト層

・下位の大多数を占める収益→個人企業、中小企業(SMB)

ステップ2:定性評価

ステップ1で確認とランク付けをした顧客を、自社のビジネス戦略上の重要度を加味した定性評価を行います。

主な評価ポイントとして、以下を参考にしてください。

①エクスパンション可能性の確認

現在の従業員数は数名〜数十名規模のスタートアップでありながらも、1〜2年後には大型の資金調達を実施しており、従業員数が数倍になることが見込まれるような企業を指します。こうした企業は、将来性のある顧客への先行投資として、ハイタッチモデルを採用する価値があります。

組織が小さいうちに自社の製品の定着を促すことで、その企業が成長して人数が増えた際に大規模なアップセルが発生します。  

②顧客の業界プレゼンスの確認

BtoB業界において誰もが知る大企業、業界のリーディングカンパニー、SNSなどで強い発信力を持つ顧客による成功事例は、他の新規顧客を獲得するうえでの重要な役割を担います。

初期契約は少額であっても、良好な関係を築いて事例公開の承諾を得ることは、自社のマーケティングコストを大幅に削減し、営業の成約率を飛躍的に高める効果があります。 

③自社が開拓したい業界・領域の顧客であるかの確認

例えばこれまで「IT企業」を中心に販売してきた自社のツールを、別の業界で広げる際、 これまで自社が蓄積してきたテックタッチ用の動画やFAQ(IT企業向けのノウハウ)が全く役に立たない可能性があります。ハイタッチモデルを用いて担当者と顧客が密接にコミュニケーションを取ることで、顧客が新市場開拓のかけ橋的存在となります。そのようなVoCを収集するためにハイタッチのような手厚いサポートが重要になります。

上記の①〜③のどれかに該当する顧客は、ステップ1で判断したタッチモデルよりも1段階引き上げます。

ステップ3:顧客の製品習熟度を評価する

 顧客が直面する問題の難易度、顧客が持つITリテラシーの程度を評価し、人的サポートがどれだけ必要かを見極めます。 

例えば、顧客が持つ課題が複雑な場合、必然的に人的リソース(ハイタッチ)が必要になります。また、顧客のITリテラシーが低いと、動画やデモによって顧客に自発的な導入を促すことは難しいです。そのため、人的介入が行われるハイタッチやロータッチが求められます。

一方で、顧客によっては休日を利用して自身のペースでゆっくりと初期設定をしたい顧客や、ITリテラシーが高い顧客の場合、ガイドやFAQ、AIチャットボットを用いたテックタッチモデルを採用することが可能です。

ステップ4:3つのタッチモデルから対応方針を決定

ステップ1〜3の評価をもとに、顧客への対応方針を3つのタッチモデルから決定します。

例えば、ステップ1での評価が「上位10〜20%の収益を生み出す顧客」に当たるエンタープライズ層だった場合、顧客は「ハイタッチ」に属します。

このように、顧客をそれぞれのタッチモデルに分類し、アプローチ方針もここで判断しましょう。例えば、「ハイタッチ」に属する顧客の場合、専任担当による1対1の個別伴走や定例ミーティングの実施、成果創出に向けた企画から実行までのマイルストーン設計などが挙げられます。

さらに、ここでは具体的にカスタマーサクセス担当者のスキルセットに基づいた差配をすることが理想的です。3つのタッチモデルは、単に対応する時間や接触回数の多寡だけでなく、実行する担当者に求められる能力やケイパビリティが異なります。

Ex)タッチモデル別の具体的なスキル

  • ハイタッチ:顧客の経営層との対話力、コンサルティングスキル、会食などの対人スキルetc...
  • ロータッチ:(ウェビナー開催時に)限られた時間で顧客を誘導するスキル、効率的なプロジェクト管理スキルetc...
  • テックタッチ: データの分析力、デジタルツール(マニュアル作成、インタラクティブデモツールなど)の運用、コンテンツの制作スキルetc...

それぞれのタッチモデルの対象顧客層とアプローチ方法、望ましい担当者像を下記にまとめました。

tauch-model customer approach example

【タッチモデル別】具体的な施策

ここまで、タッチモデルの定義や分類方法について解説しました。ここからは、タッチモデル別の具体的な施策を紹介します。

ハイタッチ

先述の通り、ハイタッチはLTVが高く、自社収益の基盤となるエンタープライズ層へのアプローチ手法です。ハイタッチは、顧客それぞれが持つ課題にあった支援を行います。

具体的な施策として、下記が挙げられます。

・個別キックオフと成果創出に向けた継続的な伴走 

契約後に担当者が顧客との個別キックオフを行い、初期設定や顧客の成果創出に向けた伴走を継続的に進めます。キックオフを通じて担当者と1対1でコミュニケーションを取ることで、顧客自身が製品価値を実感でき、初期離脱を防げます。 

・定期ミーティングやアップ・クロスセル提案

製品導入後、継続したミーティングを定期的に行います。顧客の成果創出に向けた提案やお困りごとの解消、設定したKPIの進捗確認、今後の戦略提案を行います。 

加えて定期ミーティングは、アップ・クロスセルや契約更新の確度を高め、顧客社内での自社サービスのプレゼンスを維持する効果があります。

・個社別のロードマップ策定

自社サービスを活用して、どのような課題を解決し、最終的な目標達成までのロードマップを作成します。ロードマップを用いて課題と目標の可視化を行うことで、担当者と顧客が目指す方向性を明らかにし、導入後も継続して事業に貢献できる状況をつくります。

・個別システム連携・運用構築支援 

顧客が既に利用するシステムとの自社製品の連携方法や、製品が社内に円滑に浸透するようにSEなどの技術者を交えて支援します。またマニュアルや、使用方法にまつわる動画などを作成する場合もあります。既存システムと自社製品を連携することで、他社製品へと変更する際にかかるスイッチングコストが上がり、顧客が解約しにくい状況をつくることができます。

ロータッチ

人的支援を行いながらも、一人の担当者が複数の顧客を担当するタッチモデルです。ロータッチは、ハイタッチと違い、複数の顧客を対象にした支援を行うため、少ない人員でいかに効率よく複数の顧客に支援をできるかが重要です。担当者がカバーできる範囲の支援を着実にこなすように心がけましょう。

具体的な施策として、下記が挙げられます。

・合同ウェビナー

導入時期が近い複数企業を集め、基本設定や初期操作のレクチャーをオンラインで一斉に行います。カスタマーサクセス担当者の負担軽減に繋がることや、複数の顧客が操作に難航した箇所が分かりやすくなり支援を早期に改善できます。
特に建設・運送といった業界に向けたバーティカルSaaSでよく行われる手法です。

・ユーザー会の実施

顧客同士が実際に交流することで、目的別の課題解決の場を提供します。顧客同士が知識を共有することで自社が直接教えなくても、製品についての理解度を深めることができます。ユーザー会は、コミュニティ形成に至るまでに時間を要するため、企画や運営力が求められます。

・成功事例のテンプレートを配布

他社の成功事例や業界別ですぐに使えるテンプレートをドキュメントや動画で配布します。顧客自身が成功するまでに考える手間を削減し、製品の価値を実感しやすい環境を作成します。

・稼働状況にもとづく架電・メール・チャット

「ログイン頻度低下」など、解約リスクのある顧客のアラートに呼応して、担当者が個別に連絡します。該当する顧客にのみ支援を行うことで、人的リソースの投下を最小限に抑えながらリテンションや顧客満足度の向上を目指します。 

テックタッチ

LTVが低い層やトライアル中の顧客などを対象にテクノロジーを用いて導入をサポートするタッチモデルです。ハイタッチやロータッチと比べて人的介入が少ないため、顧客の自発的な取り組みを促す仕組み作りが求められます。

具体的な施策として、下記が挙げられます。

・インタラクティブデモの提供

初回ログイン時、画面上で「こちらをクリック」と次の操作手順を示すインタラクティブなチュートリアルデモ(=インタラクティブデモ)を設置します。画面上でチュートリアルを確認できるため、顧客がセルフオンボーディングを進める際の理解を助けます。

併せて読みたい記事:インタラクティブデモとは?デモ動画・チュートリアルとの違いとデモの作り方まで解説

・FAQやヘルプページの展開

顧客がつまずきがちな操作についてのトラブルシューティング、よくある質問、用語集などを検索できるページを公開します。FAQの内容は、定期的に更新し、新しい内容も追加しましょう。

・AIチャットボットの活用

製品画面にAIチャットボットを設置し、顧客の質問に解決策を提示します。単純な問い合わせ対応を一時的にチャットが請け負うことで、カスタマーサポートの負担を軽減し、限られた人的リソースを有効に割り振ることを可能にします。

・アプリ内のポップアップ通知

新機能のリリースや契約更新のご案内をログイン時の画面に表示させます。顧客が製品を使用するたびに通知を行う形態により、メール配信に比べて顧客が認知できる機会が増えます。

【タッチモデル別】よくある失敗例

次はタッチモデル別のよくある失敗例を紹介します。

ハイタッチ

顧客にマンツーマンで支援を行うハイタッチモデルでは、顧客との適切な距離感を保ち、担当者個人のスキルに依存しすぎないようにすることが重要です。 

・すべての要望に応えようとしてしまう

顧客の満足度や施策の進行スピードを上げようとして、本来は顧客自身が行うべき実務まで引き受けてしまう失敗です。

ハイタッチは、あくまでも顧客の自走や課題解決を支援するアプローチです。本来顧客の行う業務を引き取り過ぎず、顧客が自律して製品を活用できるよう、着実にサポートを行いましょう。 

・支援が属人化する

特定の優秀な担当者に依存してしまうことで発生する失敗です。

ハイタッチでは、顧客ごとに担当者が割り振られるため、担当者によって支援の質に差が生じることがあります。また、特定の担当者に業務が集中すると、その担当者の不在や退職によって顧客満足度が低下し、解約につながるおそれがあります。 

・ROIの悪化

顧客生涯価値(LTV)が低下した顧客に対しても、ハイタッチによる支援を継続することで発生する失敗です。結果として、解約(チャーン)を防ぐことができても、顧客維持にかかる人件費が収益を上回り、赤字になってしまいます。 

ロータッチ

ロータッチでは、1対多の対応ならではの失敗があります。 

・支援基準を曖昧にする

どこまでのサポートをロータッチで提供するのか、支援の範囲を明確にし、標準化しましょう。支援基準が曖昧だと、ロータッチの顧客にもハイタッチ並みの支援を行うことになり、タッチモデルを分けた意味がなくなってしまいます。

・解約アラートに気が付かない

ロータッチでは、ハイタッチのような手厚い個別伴走が少ない分、自己解決に必要なコンテンツの整備も不十分だと、顧客が支援を受けにくくなります。その結果、顧客が「十分な支援を得られていない」と感じ、人知れず解約アラートが立ってしまうことがあります。 

・データを活用しきれない

顧客ごとの利用頻度などのデータを十分に活用できないことで発生する失敗です。

ロータッチでは、一人の担当者が複数の顧客を支援するため、人員が不足すると、個々の顧客の状況を把握しきれません。その際にデータを活用できていないと、解約のリスクが高まっている顧客に気づけず、対応が手遅れになるおそれがあります。 

テックタッチ

テックタッチでは、テクノロジーへの過度な依存や、コンテンツの更新不足に注意が必要です。 

・テクノロジーやツールを過信しすぎる

ユーザーの属性や利用状況を把握せず、一律で同じ案内メールやポップアップを配信してしまう失敗です。テックタッチであっても、テクノロジーやツールに頼りすぎて人的支援を極端に減らすと、顧客満足度の低下や解約率の上昇につながるおそれがあります。 

・有人サポートを迅速に受けられない

製品に人的サポートが必要な不具合が生じた際、顧客がまずチャットボットなどを通じて解決を試みるケースがあります。そこから有人サポートへスムーズに切り替えられず、顧客が迅速な対応を受けられない失敗です。

顧客は、問題の解決に手間や時間がかかることにストレスを感じ、その結果、解約につながるおそれがあります。 

・コンテンツを作成するだけで満足してしまう

FAQ、チュートリアル動画、デモコンテンツなどを作成しただけで満足してしまい、製品のアップデートに合わせて内容を更新できない失敗です。また、改善の余地がある機能を使いにくいまま放置することも、顧客が離れる原因になります。 

【タッチモデル別】よくある失敗例を防ぐための改善策

ここまで、タッチモデル別の基礎知識や、その失敗例を解説しました。これらを踏まえて、より質の高い支援を行うための改善策をタッチモデル別にご紹介します。

ハイタッチ

ハイタッチモデルでは、顧客の成功と自社利益の最大化を両立させることが鍵となります。 

・「全ての要望に応える」を防ぐには?

支援を始める前に、顧客が自力で行うことと自社が支援する範囲を定めて合意形成しましょう。

担当者は、代行作業を行うのではなく顧客の自走を促す存在であることを顧客自身に理解してもらうプロセスが重要です。 

・「属人化」を防ぐには?

担当者それぞれの方法を追及するのではなく、カスタマーサクセス全体で支援を行える体制を目指しましょう。マニュアルの作成や顧客対応履歴を録画とともに記録して、共有することが効果的です。

・「ROIの悪化」を防ぐには?

顧客のLTVの推移に合わせて、顧客セグメントを定期的に見直しましょう。

収益に見合わなくなった場合や自走体制を構築できた場合は、 支援を打ち切るのではなく、「定着してきたので今後はウェビナー等で広くサポートします」とロータッチやテックタッチに切り替えましょう。

ロータッチ

ロータッチモデルでは、少ない担当者でいかに顧客が満足できる支援を遂行できるかが重要です。

・「支援基準の曖昧さ」を防ぐには?

支援の内容を具体的に決め、ルール化しましょう。

もし顧客からハイタッチ並みの個別支援を求められた場合は、無理に対応せず、「上位の有料サポートプラン」へのアップセルを提案しましょう。

・「解約アラートに気が付かない」を防ぐには?

マニュアルの整備や定期的な接触により、「静かな満足度低下」を防ぎましょう。 

・「データ活用不足」を防ぐには?

解約(チャーン)の可能性がある顧客は、逐一共有メモに残し、アカウントプランを考案しましょう。

また、担当者が毎日データを見る負担を軽減するために、危険とする基準を定めて、その基準に達した際に担当者へ通知が送られるシステムも効果的です。

Ex)具体的な「危険」とみなす基準

  最後のログインから〇日経過、〇〇の機能を使っていない

テックタッチ

テックタッチでは、顧客の行動データに基づいた「運用の改善」を継続して行いましょう。

・「テクノロジーやツールを過信しすぎる」を防ぐには?

顧客のフェーズや属性に合った適切なタイミングで配信を行いましょう。

顧客にとって本当に必要な情報を届ける配慮が大切です。

・「有人サポートへの導線不良」を防ぐには?

ワンクリックで「問い合わせフォーム」のボタンを必ず用意しましょう。また、チャットボットでの質問内容を自社でも把握できるシステムを作り、顧客の説明負担を最小限まで抑えましょう。

・「コンテンツの作りっぱなし」を防ぐには?

コンテンツは作成して終わらせず、「どのFAQが多く検索されているか」を分析し、改善を回しましょう。

またUIの更新があった際のメンテナンスも重要です。

Ex)具体的なコンテンツ

  FAQ→顧客のつまずきをピンポイントに解決できる

  マニュアル→顧客は初期設定の正しい手順を体系的に理解できる

  デモ(インタラクティブデモ)→「PLAINER」

「PLAINER」は、顧客に「体験できる製品デモ」を提供をし、担当者側は、顧客が画面のどこに触れたかのデータをリアルタイムでとるインタラクティブデモツールの一つです。

併せて読みたい記事:「体験できる製品デモ」とは?活用メリットや効果、おすすめツールを紹介

アメリカの調査企業、Gartner(ガートナー)によると、セルフオンボーディングで問題解決が出来なかったケースのうち、43%が「関連コンテンツを見つけられなかったこと」を理由としています。【参照記事】Gartner Survey Finds Only 14% of Customer Service Issues Are Fully Resolved in Self-Service

このように、テックタッチで活用するコンテンツは、顧客が必要な情報にたどり着けるように分類や検索のしやすさも見直しましょう。

PLAINERを用いて顧客ごとの適切な支援を行いましょう

今回は、カスタマーサクセスにおけるハイタッチについて、ロータッチやテックタッチとの違いやタッチモデル別の具体的な施策に関して解説しました。顧客に合った支援を行い、自社のテンションを高めるには、タッチモデルを使い分けることが重要です。

OGP_PLAINER

「PLAINER」は、誰でもノーコードでソフトウェアを複製・カスタマイズしたデモコンテンツを制作し、顧客への提供とアクセス解析を可能にする国内唯一のサービスです。サービス開始から弁護士ドットコム社/クラウドサイン(導入事例:弁護士ドットコム株式会社)や富士フイルムビジネスイノベーション社(導入事例:富士フイルムビジネスイノベーション株式会社)などの上場企業を含め、先進的なプロダクトを持つSaaS企業を中心に導入され、作成されたデモは15万人以上のユーザーに閲覧されています。プロダクトの画面をキャプチャするだけで誰でも簡単に製品デモを制作できるので、これまで製品デモの制作や管理にかかっていた工数を大幅に削減できます。

SaaS・ソフトウェアの事業者の皆様は、ぜひサービス紹介資料をダウンロードいただくかお問い合わせください。


サービス資料はこちら:https://service.plainer.co.jp/document-request

お問い合わせはこちら:https://service.plainer.co.jp/contact

また、PLAINER代表の小林が登壇し、PLAINERや製品デモプラットフォームの可能性について紹介しているNewsPicksの動画も公開されています。PLAINERが提供する新しい製品体験について理解を深めたい方は、ぜひこちらをご覧ください。

本編はこちらから: 【売れないSaaS】原因は「体験なき購買」。 成約率を劇的に変える「デモプラットフォーム」 の可能性に迫る

FAQ

Q.ハイタッチとは?

専任の担当者が顧客と1対1でコミュニケーションを取り、製品の導入や課題解決を支援する方法です。主に、顧客生涯価値(LTV)が高い顧客や、複雑な課題を抱える顧客を対象とします。 

Q.ハイタッチ、ロータッチ、テックタッチの違いは?

ハイタッチは担当者による個別支援、ロータッチはウェビナーなどを通じた1対多の支援、テックタッチはFAQや操作ガイドなどを活用した支援が中心です。顧客への関わり方や、投入する人的リソースの量が異なります。 

Q.タッチモデルの適切な選び方とは?

顧客のLTVや戦略的重要度、課題の複雑さ、製品の習熟度などを基に判断します。企業規模だけで決めず、必要な支援と、その支援にかかるコストのバランスを確認しましょう。 

Q. ハイタッチからテックタッチへ移行する条件や運用の工夫とは?

製品の利用が定着し、顧客がFAQや操作ガイドを活用して自力で課題を解決できることが、移行を検討する目安です。顧客の希望や支援の必要性も確認し、支援内容の変更を事前に説明したうえで、段階的に移行しましょう。 

Q.テックタッチではどのようなコンテンツを用意すればいいですか?

FAQやマニュアルのほか、「PLAINER」をはじめとするインタラクティブデモも効果的です。顧客自身が使い方を学べるコンテンツをそろえて、セルフオンボーディングを支援しましょう。

製品の魅力を、
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