無料トライアルの環境で十分なプロダクト体験を提供できておらず、見込み顧客が自発的に無料トライアルを試す負担が大きかった
SmartHRの価値となっている製品体験に関する訴求をサービスサイト上で強化したいが、対応策としての動画は制作・修正のコストが高く、運用が回しにくい状況だった
事業展開や機能開発のスピードが速く、トライアル環境の改修に開発組織を巻き込む難易度が高かった
プロダクト改修とは別にビジネスサイド中心にデモを作成できため、製品体験の訴求強化を工数低くスピーディーに実現した
サービスサイトに訪問したユーザーのなかでデモを閲覧した層のCVRは通常の2〜3倍と高く、検討意向度が高い顧客のニーズに応えられるコンテンツであると確信
セールス部門からも、SmartHRに対する信用の醸成や受注までのリードタイムの短縮につながっているとの評価が得られ、ビジネスサイド全体での成果にも繋がった
見込み顧客の検討促進や商談創出を後押しする取り組みを行っている中で、導入企業のご担当者さまからは「画面が見やすい」「使いやすい」というお声を頂戴することが多い一方、マーケティング段階でそういったSmartHRの魅力をうまく伝えきれていないもどかしさを感じていました。
最も大きな課題は、顧客が無料トライアルで導入検討を進めるハードルが高かったことです。具体的には、無料トライアルで試せるのが機能数の少ないプランであったため、SmartHRとして訴求したい体験や機能をトライアル環境で十分に提供できておりませんでした。
また、商談中の企業さまであれば営業担当がフォローできるのですが、顧客が自発的に試そうと思った場合には初期設定からご自身で進めなくてはならず、体験工数が大きいことが挙げられます。サポートコンテンツは用意してあるものの、いわゆる「クイックウィン」が得にくかったのです。
その状況を打破しようとトライアル環境を改善しようにも、開発にかかる工数に見合う成果の試算が難しく、人的対応でフォローする運用が回っていたため、改善余地が大きいことは理解されていても、改修に着手するハードルが高い状況でした。
SmartHRでの業務体験やその操作画面を通じてSmartHRならではの価値を届けたい思いがある一方で、無料トライアルだけで実現するには難しく、静止画や説明動画に頼らざるを得ない状況が続いていました。
しかし、事業展開や機能開発のスピードが早い弊社においては、コンテンツを用意してもすぐに情報の鮮度が落ちてしまい、制作・更新の運用負荷が高いという課題を抱えていたのです。
このような課題を感じていた折に、プロダクトデモプラットフォーム「PLAINER」に出会いました。
PLAINERの導入を決めた最大の理由は、トライアル環境の改修に工数をかけずとも、訴求したいプロダクト体験を、Webコンテンツとして手軽に作成・提供できる点です。
製品の本番環境とは切り離したWebブラウザ上にノーコードでSmartHRの機能・操作を再現できることにより、SmartHRの強みである豊富な機能と使いやすさを、お客様に簡単にお届けできると考えました。
また、データ連携やサポート体制など、運用面においても考慮も行いました。顧客ごとにデモを閲覧したかどうかといった行動を把握することは、適切なマーケティング活動を行う上で重要です。デモの閲覧データを社内のMAツールと連携できるか、それをどのように実装できるかは入念に確認しました。
PLAINERであれば難しい作業なく実装でき、社内のオペレーションに組み込めることがわかった点も選定理由の1つです。MAツールとデータ連携することで、デモのKPI貢献度の可視化や、「デモを閲覧した」という情報をセールスにも伝えることができます。
実際にPLAINERをトライアルしてみて、機能がシンプルで操作に迷うことが少なく、オンボーディングコストも低い点も安心でした。また、国産のツールであるため社内展開もしやすく、サポート体制が充実している点もメリットでした。
上記のような理由から総合的に判断し、PLAINERの導入を決めました。
導入当初は、SmartHRの機能の中でも講演等で紹介したときに反応の良い操作のデモを1つ、広告用のランディングページに設置し、“そもそもSmartHRに興味を持っている方がデモを閲覧するのか”という検証から始めました。
デモの閲覧数が一定あることがわかった後、サービスサイトからもデモ閲覧ができる導線を設けるなど、段階的に活用場所を広げていきました。このときはまだ社内でも一部にしか施策を展開しておりませんでしたが、社内外でデモのニーズがあることがわかってきました。
SmartHRは機能が豊富であったのでデモ数の拡充は初期から考えていました。そこで、次の展開として、機能の充実度やデモの存在感を確実に伝えることを狙って、主要な約20の機能のデモを集約したページを公開したのです。
このデモページは、サービスサイトからの導線設置はもちろん、セールスやカスタマーサクセスの各メンバーも、担当顧客へ直接案内することができるようにしています。なるべく多くの方がデモに触れられるように配慮しました。
また、公開当時においては、日本国内でデモを使ったプロモーション事例がまだ少ないこともあってか、簡単にプロダクトの画面を見ることができる環境を構築していること自体が、お客様からの信用獲得・安心感の向上にも繋がっていると営業から嬉しい言葉をいただきました。
マーケティング観点では、サービスサイトに訪問したユーザーのなかで、デモを閲覧したユーザーのその後のCVRが通常の2〜3倍程度高くなる傾向が見られ、デモを閲覧している方は検討意向度が高いということがわかりました。そのため、サービスサイト上で導入検討を促せられるような最適な顧客動線をつくるヒントが見つかったように思います。
しかし、それ以上に社内的な反響の方が大きかったと思っています。見込み顧客の対応や商談を担当するセールスからは、検討層の期待感の引き上げや受注までのリードタイムの短縮に貢献していると高評価を得ています。特に「SmartHRの画面を見たい」というお客さまに、トライアル環境を用意せずともすぐに展開できる点でも、使い勝手が良いと聞いています。
当初はマーケティング領域での数字改善を目標に活用していましたが、それ以上にビジネスサイド全体での成果にも繋がったのは嬉しい驚きでした。
まず、SmartHRの訴求に十分な量までデモを増やしながら、サービスサイトにおいてはお客様が検討に必要なデモへスムーズに辿り着ける仕組みを作りたいですね。その他にも、メールマーケティングやWeb接客ツールと連携して、まずは様々なチャネルからデモに辿り着けるような活用も進めたいと考えています。
また、契約後のオンボーディングやサポートコンテンツとしても、デモの活用を検討し始めています。お客様のフェーズやニーズによって、同じ機能でもデモの内容は異なると思うので、適切なデモ内容を見極めて構築していきたいです。
そのためには、簡単かつ柔軟にデモを量産できる体制が必要不可欠だと考えているので、今後、PLAINERデモのUX改善や、表現の柔軟性の向上等のアップデートにも期待しています!
以下の2つの課題を持つSaaS企業にはPLAINERをおすすめできます。
まず1つ目は、サービスのUI・UXをうまくアピールできていない企業です。私たちがそうだったように、優れたUI・UXを持つプロダクトがあるにもかかわらず、それをマーケティング段階でうまく見込み顧客に伝えられていない企業は多いと思います。
PLAINERを使えば、実際の操作感を伴うデモを簡単に作成できるので、テキストや画像以上にプロダクトの魅力を伝えられるようになります。
2つ目は、顧客に製品デモの環境を提供する際に、セールス部門や開発部門の工数が大きくかかっている企業です。
PLAINERならノーコードでデモを作成できるので、作成するのに多少工数がかかるものの1度作ってしまえばそれ以降はデモのURLを展開するだけで済むので、製品デモの環境を都度用意する負担が軽減できます。
SaaSの販売において、製品のUI/UXは重要な差別化要因の一つですが、その魅力を効果的に伝えることは容易ではありません。
今回のSmartHR様の取り組みは、従来の無料トライアルや動画説明に加えて、製品の価値を効果的に伝えるための新しいアプローチになっています。
ユーザーが気軽に、かつ深く製品を体験できる環境を整えることで、見込み顧客の検討プロセスを大きく改善できるのではないでしょうか。
また、オンラインデモページを通じて実現した具体的な成果も印象的です。デモ閲覧ユーザーのCVRが通常の2〜3倍に向上し、受注までのリードタイムも短縮されるなど、マーケティング領域での数字改善に留まらず、ビジネスサイド全体での成果にもつながった点は、多くのSaaS企業にとって参考になるでしょう。
プロダクトデモには、マーケティングとセールスの両面で大きな成果を上げられる可能性があります。PLAINERの活用にご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください!
事業内容:SmartHRの企画・開発・運営・販売
設立:2013年1月23日
Webサイト:https://smarthr.jp/