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営業を増やさなくても、ARRは伸ばせる。 専任営業1人で1年で約1億円を達成した「顧客自走型」購買体験の作り方

SDS管理システム

利用プロダクト:スマートSDS

株式会社Dynagon

SaaSにおいて、プロダクトの価値を正しく顧客に伝えることは簡単ではありません。 営業が画面を見せて説明しても、決裁者や関係部署に同じ熱量で伝わるとは限りません。とりわけ立ち上げ期SaaSでは、営業の採用が成長スピードに追いつかないという構造的な壁にぶつかります。 化学物質管理のバーティカルSaaS「スマートSDS」を提供する株式会社Dynagonは、事業の立ち上げ期に「顧客が自ら理解し、社内で広げられる購買体験」を設計するためにPLAINERを導入しました。専任営業1名で1年でARR約1億円を実現し、営業人数に依存しない少人数での成長モデルを構築しています。 今回は、商談時間を「1時間→30分」に短縮しても案件が止まらない設計、料金や契約書まで全公開する覚悟、そしてPLAINERを「営業組織設計の前提」にした組織変革まで、実践のすべてを伺いました。

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課題

1.

専任営業1人(兼マーケティング、CS)という体制で早期にまとまった売上を実現する必要があった

2.

決裁者や関係部署への社内共有が、担当者の口頭説明頼みとなってしまっていた

3.

お客様が仕様や効果を確認し、技術的な懸念を払拭頂ける場が商談以外になかった

導入後の効果

専任営業1名・リリース直後ほぼゼロからスタートし、1年でARR約1億円を達成

商談時間を「1時間→30分」に短縮

トライアルなしで受注。顧客自身が社内資料を作成し実現

営業1人あたり約5〜10人分の生産性を実現。インサイドセールスは未採用のまま運用が成立

営業の本質は、商品説明をすることではない。「テープレコーダー営業」を再生産しないという覚悟

― 早い段階から、営業が一方的に説明しないスタイルを志向してこられたと伺っています。その出発点となった違和感は、どんなものでしたか?

営業の仕事は、いつもと同じ通り一遍の説明をテープレコーダーのように喋ることが多いんです。それで仕事をした気になってしまうのが、長年気になっていました。

お客様側にも説明してほしいというニーズは確かにあります。けれど本来は、お互いの時間のロスをなくして、もっと本質的なディスカッションに集中すべきだと考えていました。営業の本質は、デモを説明することではないと思うんです。お客様の課題をヒアリングして、深堀りして、解決まで持っていく。これを忘れて「商品説明が上手い自分」に酔ってしまう営業を、組織として再生産したくなかったのです。

特に化学物質管理のような専門領域では、営業が一方的に喋るよりも、お客様自身が触って「これなら現場で使える」と体感する方が、圧倒的に早く価値が伝わります。

2024年の規制強化で対象物質が「600→2,400」に。「困っている顧客」が増加する中、何を仕込むのか

― 業界の追い風もあったと伺いました。化学物質管理の市場環境について教えてください。

2024年に始まった段階的な化学物質規制強化で、SDS(安全データシート)の作成対象物質が約600から約2,400へと4倍に増えました。例えばExcelで1個10時間かかるSDS作成作業が、月10時間から月40時間に膨らむ現場が一気に増えたんです。

そのタイミングで、困っているお客様が爆発的に増えました。この状況の中で、最小限の説明でデモ体験をさせただけで「これだ」と判断してもらえる状態を作れているかどうか。ここに、立ち上げ期SaaSの勝ち負けがかかっていると考えていました。

― その中で「料金や機能をすべてオープンにする」という戦略は、明確に設計していたものですか?

以前から「30分の商談で前に進められる状態」を作りたいと決めていました。料金表も機能もすべてオープンにし、お客様が自律的に学べる状態を作るという戦略です。

SaaS企業における商談では、営業が直接話す担当者と決裁者が異なることがほとんどです。決裁者に魅力を伝えるために何度も商談を設定するのはお互いに手間ですし、「料金はお問い合わせください」というコミュニケーションでは、社内稟議にも時間がかかってしまいます。

なので、営業が決裁者に直接説明しなくても、情報が社内で同じ熱量・同じ情報量で伝わる仕組みが必要だと考えていました。

PDF・動画・実環境では届かなかった。PLAINERが「優秀な営業マン」として一人歩きする

― 実環境のデモや動画、PDFといった方法ではなぜ難しかったのでしょうか?

PLAINER導入以前は60分の商談をセットし、本番環境を使ってデモンストレーションを行っていました。頂いたご質問やご懸念にも実際の画面をお見せしながら詳細にお答えすると、目の前のご担当者の方には「これなら使える」と深く納得していただける手応えがありました。しかし、「話を聞いた担当者の方が、この後の社内調整をどのように進めるのだろうか」という大きな懸念もありました。

当社のサービスの強みの一つは「圧倒的な使いやすさ」です。ただ、社内で決裁に携わる方々は、化学物質管理の実務に詳しくない場合も多くございます。一方で、実務担当者の方々は日々の業務で非常に忙しく、システムの決裁申請や社内調整に不慣れな方もいらっしゃいます。

ただでさえ孤独になりがちなSDS業務において、実務の大変さをなかなか他部署には理解してもらえない担当者の方が、多忙な決裁者に対して、PDFの資料や動画だけで「これなら行けそうだ」という商談時の確信や高揚感を伝えるのは、結構大変だと思いました。

いくら私たちのデモが商談時に上手くいっても、担当者の方が社内で上司や同僚を説得するための「動く材料」がなければ、案件は前に進みません。触るだけで誰にでも直感的に価値が伝わり、担当者の代わりに社内を説得してくれる、そんな仕組みが必要不可欠だと強く認識しました。だからこそ、PLAINERを営業設計に組み込んだのです。

― それを解決したのがPLAINERの「シナリオ機能(※)」。シナリオ機能をどのように活用していたのでしょうか?

商談の場ではPLAINERで作成したデモを使って説明し、その場で「後からいつでも見返せるので、社内の関係部署や上司の方にもご展開ください」とお伝えしています。お客様は「いつものURL」を開けば、最新の情報も過去の資料もすべて確認できます。電話口でもPCを開きながらスムーズに会話できるようになりました。

ご担当者がそのURLを社内の上司や関係部署にそのまま展開してくれます。当社が直接決裁者に会わなくても、PLAINERで作成したデモが社内で勝手に閲覧されていく。PLAINERが「優秀な営業マン」として、1人で約5〜10人分の働きをしてくれている感覚があります。

※シナリオ機能:デモコンテンツ・料金表PDF・見積書・契約書の手続き案内・トライアルのログイン情報までを、1つのURLにまとめてお客様に渡せる仕組み

「営業が売る」から「顧客が自ら稟議を進めた」に変化した新たな購買フロー

― 通常はトライアルが必要な案件で、トライアルなしの即決という象徴的なケースがあったと伺いました。なぜそれが起きたと思いますか?

当社では通常、トライアルを経て受注に至るケースが多いのですが、トライアルを経ずにご契約いただくお客様もいらっしゃいます。

特に印象的だったのは、他の業務と兼任でSDS業務を担当されている、非常にご多忙なお客様の事例です。初回商談の後、PLAINERのデモツアーをURLでお送りしただけで私たちは能動的な追客ができていませんでした。しかし、PLAINERのアクセスデータ上で、コンテンツが何度か閲覧されていたんです。

「社内で何か動いているのか」と思いつつ、1ヶ月おきくらいで電話で進捗を伺っていたのですが、少し時間が経った頃に、お客様から「契約したい」と大変ありがたいご連絡をいただいたのです。

後日お話を伺うと、お客様自身がPLAINERのデモツアーを使って、好きな時間に、見たい箇所を何度も確認しながら、社内を説得するための強力な材料として使いこなしてくださっていたのです。

まさにPLAINERが私たちの代わりに一人歩きし、社内を動かしてくれたんです。PLAINERはデモツールではなく、「お客様の社内稟議を前に進める営業資産」なのだと再認識した経験でした。

営業1名・商談30分でARR約1億円。Dynagonが証明した「5〜10人」の生産性

― PLAINERの導入で、営業活動の生産性は具体的にどう変わりましたか?

リリース直後、ほぼ売上ゼロの状態から、専任の営業担当1名で導入後1年でARR約1億円を達成できました。これは間違いなくPLAINERの力です。

商談時間も1時間から30分に短縮しましたが、案件の前進距離は体感ほとんど変わりません。冒頭5分でヒアリング、10〜15分でPLAINERを使った説明、残り5〜10分で質問と次回アクション。これで30分です。

商談の前後にPLAINERのURLをお渡しし、「機能の詳細は後から復習できます」と安心感を持ってもらうことが重要と考えています。その場で全て口頭で補おうとすると、結局お打ち合わせは60分に戻ってしまいます。これは多くのSaaS企業でも応用できる原則だと思います。

追跡電話をやめても、案件は増える。閲覧履歴で「見ない顧客」を捨てる勇気

― 1社あたりにかけられる時間が限られる中、PLAINERの閲覧履歴は、どのように営業のアクションに活かしていますか?

閲覧履歴はほぼ毎日トレースしています。「久しぶりに見てくれている」「2ヶ月前の案件が動き出した」「商談前に見始めた」というシグナルが出ると、優先的に連絡を入れます。

当社はSMBのお客様が多く、1人で多数の企業に対応する必要があります。「料金表をじっくり見ている」「トライアルを迷っている」など、検討フェーズが一目で分かるのは大きいです。

― 一方で、「追跡をやめた」という思い切った判断もされたと伺いました。営業の発想としては逆ですよね。

コンテンツを全然見ていないお客様に追跡電話やメールをかけても、成約にはつながりません。追跡にかかるコストと、人間のメンタルコストに対するリターンが見合わないのです。

なので「興味があるお客様にだけ集中する」運用に切り替えました。本当に検討中だが時期ではない方への無理な催促やお値引き提案も行ってはおりません。結果として、当社では今もインサイドセールスを採用していません。Webサイトに常設したPLAINERと閲覧履歴の組み合わせで、運用が成立しているのです。

「営業を◯人採る」をやめた。PLAINERが書き換えたSaaSの採用方程式

― インサイドセールスも置いていない。となると、当然ながら採用要件にも影響が出てきそうです。PLAINERは組織や採用に、どのような影響を与えましたか?

「ARRをこれだけ増やすから、元気な若手営業を◯人採用しよう」という従来型の発想がなくなりました。一般的な製品説明や料金案内はPLAINERが勝手にやってくれるからです。

営業に求める要件も、「説明が上手いこと」よりも、化学に関する法令やテクニカルな質問に的確に答えられる「専門性」へと変わりました。プレゼンが上手い営業ではなく、お客様の業務課題に深く入り込める人材を求めています。

製品の基本情報はPLAINERに任せ、人間はお客様の個別の課題解決やカスタマーサクセスにリソースを集中させています。この組織計画が描けているのは、PLAINERの存在が前提にあるからです。PLAINERは当社にとって、もはや「営業資料ツール」ではなく「営業組織設計の前提」になっている。SaaS経営者にとって、これは営業ツール選定ではなく経営判断のレベルの話だと感じています。

少人数で次のARR3〜5億円へ。立ち上げ期SaaS経営者、新規事業責任者にこそ、立ち上げの日からの導入をすすめたい

― 今後の展望と、これからSaaS事業を立ち上げる経営者へのメッセージをお願いします。

ここから約1〜2年で、ARRを3〜5億円規模に伸ばす計画です。ただし、そのために営業の人数をむやみに増やすことはしません。AIとPLAINERを活用し、厳選された少人数のメンバーで実現できると確信しています。

立ち上げ期SaaSの皆さんには、自社のプロダクトに自信がある方はPLAINERによる営業改革を早急に検討すべき価値があると思います。どんどん触らせて、見せて、隠さないことです。そうすれば、初回商談時の説明もいらなくなり、追跡もいらなくなり、問い合わせも勝手にくるようになります。

事業の立ち上げ期は、受注獲得のペースが見えないなかで営業の採用を進めなければならない困難な時期です。一方で、この時期は料金設定や営業方針など、あらゆる変数がまだ可変的な状態でもあります。これらの方針や体制が固まってからでは、PLAINERによる省力化効果は限定的になってしまいます。

だからこそ、なるべく早期に導入を検討し、「省力的な営業ツールがあること」を前提とした組織設計や採用計画を進めることが重要だと思います。「料金や機能をどこまでオープンにするか」といった戦略的な方針も含めた意思決定を早期に行い、無駄のない組織の土台を作るためにも、事業の立ち上げ期からの導入をおすすめしたいです。

株式会社Dynagon

株式会社Dynagon

会社名:株式会社Dynagon 設立:2023年5月 本社住所:〒141-0021 東京都品川区上大崎2丁目13-45 トラスト・リンク 第Ⅲビル 3階